
報告内容を一部見直して、概要を紹介します。
TGALの久留です。
KES協働機関TGALは、九州・沖縄エリアを担当しており、拠点は鹿児島市にあります。
「地球規模で考え、足元から実践する」という環境活動の基本的考えから「TGAL」と命名しています。
ロゴマークは、鹿児島のシンボルである桜島のマグマのように熱い気持ちで、緑の芽(環境)を伸ばしていこうと作成しています。
KES登録番号は、49番です。89をつけたら4989で四苦八苦の活動を続けています。
活動の中で気づいた点・努力している点等をお話しして、皆様のKES審査活動に参考にして頂けたらと思います。

故郷は今や高齢化が進み、子どもはほとんどいない消滅集落になっています。
自然は豊かでしたが、農薬の使用、田畑山の放置等で自然も荒れています。
少年時代は、川ではドジョウ・エビ・フナ・カニ・ハゼ等が多数おり、小さいウナギ達が大群で真っ黒になって滝の端を登っていました。
そのような魚たちは全く見られなくなり、今やウナギは絶滅危惧種です。
寂れていく地域の活性化に貢献したいと「経営の神様」の会社に就職しました。
しかし、辞めても食える自信がなく、なかなかUターンできませんでした。
1992年のリオ会議後から環境問題にまた目覚め環境市民活動を始めました。
環境市民活動では、環境意識は高まるものの実践力が課題だと思いました。
会社でISO14001を導入・運用をすると、経営的な効果が大きく、皆の意識が変わり「環境=経営=人づくり」を実感しました。
ISO14001の地域での普及を考えましたが、地域に多い中小企業ではシステムが難しく費用も高く、普及は困難と判断しました。
そのような中で、ISO14001は中小企業に普及しにくいという実態から、京都で中小企業版EMS・KESが創設されたとの情報を得て、調査しました。
KESなら地域で「環境=経営=人づくり」ができ、さらに「地域づくり」につながると判断して、これを地域に普及したいとUターンしました。
先祖・先人たちに恩返しはできないが、これからの世代のために恩送りをしよう、そのためには明治維新の推進者たちが大きな影響を受けた陽明学の「知行合一」の気持ちで取組もうと思いました。

特に審査の中で「助言ができる」という強みを生かして、中小企業に有益な情報・助言を与えることができれば、「環境の視点で中小企業の経営体質強化の支援ができる」と思いました。

システムが立派でも、人の意識・実践力が高まらないと成果は期待できません。
「システム」と「人」両面の成長が必須です。
明治の偉人達は、「経済成長だけでなく、人間的成長がないと社会は危うい」
「天を敬い、人を愛する」と言っています。
昭和・平成の経営の神様たちも、「企業の存在意義」の大事さを話しています。
地球環境・地域環境を考え、継続的に実践することにより、視野が広がり人間的成長につながり、環境経営的な成果を出すために工夫し、システム面も向上していくことによって、経営体質も高まると思いました。
地域中小企業が環境の視点から、「システム」・「人」両面で成長していくことが、「地域づくり」につながると思いました。

環境目標を広げていくことで、経営体質を強化していけると思います。
そのため環境目標設定をステップアップする助言をしてきました。
最近は、SDGsでも同じような活動が広がっています。
KES審査では、SDGsへの展開・統合方法も助言しています。
従来は顧客満足度を重視し、従業員満足度さらに社会満足度はおろそかになっていることも多かったと思います。
環境負荷の削減、資源生産性の向上、生物多様性、従業員満足度向上、経営全般的な目標を掲げていくことにより、徐々に経営体質が高まると思います。
社内での従業員満足度を高め、社外・地域に貢献する活動が増えていったら、SDGsが進み企業も社会も良くなっていくと助言しています。

登録事業所事務局支援のためにメルマガを毎月発信することにしました。
始めは2-3ページだったのですが、今は大体10ページを作成し送付しています。毎月10ページを作成するのはプレッシャーですが、KES審査員の研鑽テーマとして14年間続けています。
事業所も私も、楽しく・面白く・元気よく環境経営を進められ、環境経営活動が深まり・広がるように心がけています。
メルマガで一番人気は、環境経営訪問記です。
他社は、どんな目標設定して、どんな改善活動をしているのか?という要望が強く、よく読まれています。
KESだけでなく、EA21・ISO14001・鹿児島市環境管理事業所など、環境経営をよく進めている事業所に電話し、訪問して記事にしています。
TGALメルマガは、多くの事業所で掲示・回覧し、教育資料として活用されています。審査の都度、メルマガを続けていこうと力をもらっています。

講座を実施するには、いろんな調査をしてまとめるのでKES審査員としての自己研鑽にもなります。
講座を初級・中級・上級と分けていますが、はっきり分けているのではなく、初級では、環境経営システムの導入や環境の基礎教育、中級では環境実務や改善のための進め方や事例、応用では環境まちづくりやSDGs講座等です。
事業所だけでなく、一般市民・子ども向けにも講座を開催しています。
主に省エネ活動を家庭で実践するための講座です。
公民館や消費者センター・学校への出前講座が多いです。
その時には、環境経営事業所からのグリーン購入も提案しています。

環境負荷の削減や関連コストの削減は当然として、他に多くの効果が出ています。
経済的な効果だけでなく、環境の意識が高まることにより、地球・地域・職場環境などを考えるようになり、多くの波及効果が得られています。
会社内のコミュニケーションが良くなり、企業風土が変わったという声をよく聞きます。
人間性の向上が、企業文化・風土を変えているのかと感じます。
このような小さくてもきらりと光る企業が、地域で増えていったら、地域活性化・地域づくりにつながると思います。
KES登録認証というだけでなく、KESファンが地域に増え、さらにKESの信者になってもらったら口コミが広がり儲かるKESになるかと思います。