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EMS・環境マネジメントシステム

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いろいろな環境マネジメントシステム(EMS)

2013.9 改訂

環境管理マネジメントシステムとしてはISO14001が国際的規格として広く普及しています。

しかしながらISO14001は環境保全またマネジメントシステムによる経営体質の強化という点では非常に有効なツールであるものの、中小企業ではスタッフがいなく難しいとか導入・維持費用が高いという課題があります。

そこでISO14001の骨格を活用して、中小事業所版のいろいろな簡易型環境マネジメントシステムが創設され普及しています。

主なものには以下のような環境マネジメントシステムがあります。
以下の他にも、エコステージや運送業界で広がっているグリーン経営制度がありますが、私達が鹿児島県内を中心に普及を支援している以下の4種について述べます。

(1) ISO14001

国際標準化機構ISOで1996年に制定され2004年12月に改訂されました。全国で約2万事業所が認証取得しており、国際的な商取引には必要なものです。

また国内でのグリーン調達の条件として認証取得を推奨する、また必須とする大手企業もあります。公共工事では入札資格審査で加点して優遇するまた物品購入で優先する自治体も多くあります。実績、知名度では抜群といえます。

認証取得には一般的に10ヶ月から1年かかります。認証は3年間有効ですので3年目には更新審査が必要です。1年目、2年目には維持審査があります。

認証取得に要する費用は、企業の規模・環境負荷、依頼するコンサルや審査機関にもよりますがコンサルが50万円~150万円、審査の初年度が50万円~150万円、維持審査で初年度の2分の1、3年目に3分の2位かかるとみておいたら良いでしょう。

 

(2) KES

京都議定書発祥の地である京都で2001年に創設されました。ISO14001をステップ3と位置づけ、入門編のステップ1(ISO14001の約40%)と中級編のステップ2(ISO14001の約80%)の2種類があります。2005年7月にはISO14001規格の改訂にともないKES規格も改訂になりました。

システムがシンプルであり、構築に必要な環境マネジメントマニュアルのサンプルも提供しています。認証取得には4-6ヶ月かかります。認証取得後は毎年確認審査が必要です。

認証取得に要する費用は、コンサル・審査ともにISO14001の約1/10-1/20と廉価です。なおKES審査員はISO14001審査員でありKES審査員研修を受けたボランティア審査員です。

中小企業にとって、システムが使いやすくかつ審査ではコンサルが可能であり企業と一緒に考える審査を推奨しており、環境改善成果を得られやすいという特長があります。

大手電気メーカー等がグリーン調達基準を満たすとしているため、取引先での認証取得が拡大しています。また公共工事や物品購入で優遇している自治体も増えており建設業等での普及も活発です。

さらに産業廃棄物業についてはエコアクション21(EA21)との相互認証もされています。

認証によるステータスを得るというよりは、実質本位で環境改善や経営体質を強化したいという中小企業には最適と言えます。

 

(3) エコアクション21(EA21)

環境省が1996年に創設して2004年に大幅に見直し改訂し、2005年春から活発に拡大・普及を図っています。

システムはKESステップ1と同様なレベルです。環境活動レポートの公表と二酸化炭素排出量削減(省エネ)、廃棄物排出量削減(あるいはリサイクル推進)及び総排水量削減(節水)、化学物質使用量削減、グリーン購入、環境配慮事業の6つの目標を設定することが必須です。

認証取得には6-7ヶ月かかります。認証は2年間有効ですので2年目には更新審査が必要です。認証取得・更新審査の翌年は中間審査となります。

認証取得に要する費用はコンサル・審査ともにISO14001の約1/5-1/10程度です。
なおEA21審査人はEA21審査人の試験に合格したISO14001審査員や環境カウンセラー等です。

地方自治体で地域の事業所での導入を推奨するところが多く、公共工事や物品購入で優遇するなどしてEA21の拡大を支援しています。またコンサル費用を無料にして地域の事業者合同で取組む自治体イニシアティブプログラムもあり、地域の事業所を一気に環境配慮型にしていく動きも活発です。

地方自治体がEA21拡大に熱心なこともあり、公共工事を請ける建設関係、認可を受ける産業廃棄物処理業での取組みが目立ちます。

 

(4) 鹿児島市環境管理事業所

鹿児島市内の多くの事業所で環境に配慮してもらうため鹿児島市が2004年に独自に創設したものです。システムはKESやエコアクション21(EA21)をさらに簡易化したもので、システム構築を楽にするために文書・記録の様式さらに記入事例までホームページで公表しています。環境管理指針は、H24年度にさらに簡易に改訂されています。要求項目はKESステップ1と同程度ですが、要求レベルをミニマムにしておりISO14001の30%程度と言えます。

なおISO14001,KES,EA21認証取得事業者は環境管理事業所のレベルを満たすとして初回は自動的に認定されます。(ISO14001は随時登録認定、KESとEA21は年1回申請し認定)
また環境実績(パフォーマンス)が必ず向上していることと3年以内に法違反がないことが必須になっています。3年目の更新時に実績が上がっていなかったらISO14001認証取得事業所でも認定されません。

認定のためには4ヶ月程度(3ヶ月以上の実践が必須)かかりますが、3年間有効ですので3年目には再申請し審査が必要です。認定後、毎年の審査はありませんが毎年活動実績を報告しなければなりません。

認証取得に要する費用は、独自構築が可能と思われますし市の職員の審査になりますので無料です。(コンサルが必要な場合は数万円程度)

鹿児島市では認定事業所には認定証を授与し、市のホームページにも公表するようにしています。さらに公共工事や物品購入で優遇しています。