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鹿児島県中小製造業でのKES環境経営事例

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①身の丈にあう「使い勝手の良さ」が評価されて、全国に広がっています。
②品質・生産性・安全性向上など「経営体質強化による環境負荷削減」を目標設定しやすく、助言もあり経営に役立つと喜ばれています。
③ISO14001では、手間・費用面等で難しいと感じる中小企業のために、KESは2001年に京都で創設されました。
④その後、2004年に環境省が認証制度化したEA21よりもシンプルです。
⑤ISO14001やEA21からKESへ移行する事業所もあります。

 

1.サンライト化成株式会社鹿児島工場  (鹿児島県姶良市)
(射出成形及び金型の製作、社員47名、ステップ2、2007年2月登録)

  製造業としては鹿児島県初のKES 登録事業所であり、他のグループ工場にさきがけて KES を取得し、関係会社にも KES を紹介するなど、熱心に取組んでおられます。
 2007 年初回登録となっていますが、その一年前に社是に「環境配慮」を掲げKESステップ 1 を取得、その後取引先からの要請でKESステップ 2 にステップアップしています。

環境目標として以下の5項目を設定しています。

1.電力使用量の削減                    
2.水使用量の削減                  環境経営訪問記
3.生産性向上の推進
4.生物多様性に基づく環境改善活動
5.工場周辺の美化清掃

  主として自動車用・電子機器用電子部品や小型プラスチック成形品などを製造し、設備保全を徹底するなど、製造業ならではの実践をしています。
  電気の使用量は、総量ではなく機械の稼働時間で割った原単位で管理しています。
環境改善の継続の為、毎月 1 件「改善提案」を社員の皆さんに書いてもらうよう働きかけており、“不良品を出さない”“無駄を省く”“使う資源を少なく”など生産性や品質向上などにも役立つ意見が出ているそうです。
  例えば工場内は冬でも暑く、倉庫は 寒いということで“部屋間にダクトを通して熱風を倉庫に送る”など様々なアイデア が出て、職場に活気も出てきています。

 

2.株式会社三翔精工 鹿児島工場(鹿児島県霧島市)
(精密金属部品の製造・販売、社員29名、ステップ2、2010年8月登録)

これからの時代は環境に配慮した取組みが必須であると認識して、本社がある京都で普及していた KES の導入を決めました。
  KES を導入して、環境意識・行動が社員の体に染みこんできたとのことですが、さらに全員の活動を高めるために、環境の役割のローテーションや KES審査への参加者を増やす等人の育成に配慮しています。

環境目標として以下の5項目を設定しています。
1.電力使用量の削減                    
2.事務用紙使用量の削減                環境経営訪問記
3.一般廃棄物の削減
4.水使用量の削減
5.会社周辺の清掃等啓発活動

  作業ポイントをラミネートコーティング板で表示、また品質管理資料の保管基準 10 年を5 年に短縮、裏紙活用しています。
  事務所では空調攪拌用ファンを取付け、工場では①ミストコレクター用コンプレッサーの生産設備停止時のストップ②省エネコンプレッサーを同時立上げでなく、時差をつけた立ち上げ③電気使用ピーク時の午後2-3時の照明カット④夜間照明での人感センサ使用など工夫しています。

 

3.株式会社サンライズ精工鹿児島県)
(精密金属加工部品等の製造・販売、社員35名、ステップ1、2008年3月登録)

 取組みのきっかけは、日立マクセルさんからの紹介です。
 KESを取得して良かった事は、「社内にまとまりができ社員に『決めたことは必ず実行する』という責任感が出てきた」とのことです。
 トップダウンとボトムアップのピラミッド型推進を実行でき、ISO9001を認証取得する時も、とてもスムーズで楽だったそうです。
『KESステップ1を取得しています』と顧客からの調査書類に書けることに嬉しさを感じるとのことで、「KESって何?」と聞かれることも最近は少ないですよ。」と、こちらも嬉しくなるお話しに、KES 認証取得による効果の大きさを感じました。

環境目標として以下の3項目を設定しています。

1.電力使用量の削減                   
2.工具消耗品の削減                環境経営訪問記
3.環境啓発活動

「実行責任者は毎年ローテーショ ンします。環境管理責任者は 2 年に 1 回担当を替えています。当初、環境委員長と環境管理責任者を兼任していましたが、継続的な KES 規格の項目毎の教育また日頃の実践等を通じて、引継ぎ・ローテーションが円滑にでき、活性化につながっています。」とのこと。

 

4.株式会社鹿児島北斗 製作所  (鹿児島県鹿児島市)
(プラスチックス金型の製作販売、成型、社員16名、ステップ1、2007年4月登録)

  同業者が KES に取り組まれていることを知ったのがきっかけということでした。
 ISO 14001は経費がかかりすぎるため、自分たちの身の丈にあった KES を導入。省エネ効果も上がり、会社全体の環境に対しての意識がとても高くなったそうです。

環境目標として以下の4項目を設定しています。

1.電力使用量の削減                  
2.自動車燃費の向上               環境経営訪問記
3.社会貢献
4.環境教育啓発活動

 成型機の過熱筒の保温を止めて、エネルギーの削減をしている。そのために洗浄剤をうまく利用し、手間とお金をかけて品質確保とエネルギー削減しています。

 

 1.KESとは?

KESは、2001年に創設された中小企業版環境マネジメントシステムです。
②中小企業にとってISO14001では難しく、費用も時間も大変という現状認識の元、ISO14001規格をシンプルにして、企業での改善活動等経験豊富なISO14001審査員が低費用で審査するしくみです。
審査では、コンサル・助言ができます。
③主な規格は2種類あります。KESステップ1は、ISO14001の基本部分だけでありISO14001の半分程度のレベル(初級・小企業向け)、KESステップ2はISO14001より1-2割シンプル(中級・中企業向け)です。
審査費用:KESステップ1は登録時約10万円、その後毎年約5万円、
     KESステップ2は登録時約20万円、その後毎年約10万円
全国23KES協働機関で普及推進し、現在4,783事業所が登録しています。

2.KESの特徴?

①身の丈に合うシステムであるので、中小企業体質を強化するのに有効です。
②審査員研修に熱心で、全国規模で2ヶ月一回、九州では毎月実施しています。
③紙・ゴミ・電気だけではない本業強化目標を設定しやすい。
④審査では、中小企業の経営体質強化に役立つコンサルを重視しています。
➄九州・沖縄地区では、毎月環境教育用のメルマガを定期送付しています。

3.評価・優遇?

①日立・九州電力・NTT・京セラ・キャノン・オムロン・ワコール等大手企業のグリーン調達基準で承認
②鹿児島県では、建設工事入札等競争入札格付で5点、鹿児島市では、鹿児島市環境管理事業所に申請・認定されるとあわせて15点が加点。
③鹿児島県清掃業等の鹿児島県官舎等業務委託に係る資格審査では3点加点。

(お問い合わせ)
●九州・沖縄地区唯一のKES協働機関:NPO法人エコサポートTGAL(ティーガル)
 大手製造業などの環境・品質・システム管理部門の経験者がUターンして、中小企業と地域の活性化を支援している中小企業診断士・エネルギー管理士・技術士などの専門家集団です。九州・沖縄各地で活動しています。
事務所住所:鹿児島市長田町18-36長野ハイツ1F
TEL099-223-6425  Eメール
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