Think Globally, Act Locally!!
   (地球規模で考え、地域で足元から実践)

2023.6

 さつま町は、九州第二の一級河川川内川が流れ、2002年から、川内川下流の二渡地区と上流の鶴田地区で川内川に舟を浮かべ、ホタルを観賞するホタル舟を運航してきました。
 残念ながら、二渡地区のホタル舟は2023年5月に21回目の運航で終わりました。
 川内川のホタルが1割程度に激減したのと、ホタル舟船頭の高齢化が理由です。
 最盛期は、川内川流域で数百万匹と称されたホタルの光のシンフォニーが幻想的でした。

 60年程前は、川内川は、ホタルだけでなくウナギ・アユ・貝等川の恵みが豊富でした。
 今や絶滅危惧種になっている日本ウナギは、大群で遡上してきたので、ウナギ籠を浸け、川石から頭を出すウナギを水中鉄砲で突き、石垣穴に隠れたウナギを釣り糸で取ったものです。 
 竹製のウナギ籠を川内川に夕方浸けて朝引き上げると、ウナギが籠いっぱい入っており、ずっしりとして驚いたものです。

 川内川の支流では、3m位の滝の端を大群で登る小さな稚魚ウナギを、麦わら帽子に取り、赤腹のイモリが多数生息している家の近くの池に投げ込んだものです。

 朝とれたウナギを魚籠に入れ替え、学校から帰ってからヌルヌルするウナギをギザギザしたカボチャの葉っぱでつかみ、頭に釘を打ち付け、包丁で身を裂き、腸を取り出し、串にさせるように切断して、囲炉裏で炙り、醬油をつけながらかば焼きを造りました。
 食料不足の時代に、夏は毎日かば焼きでごちそうでした。

 秋には数十cm径の山太郎ガニ捕獲用の竹籠で、山太郎ガニを数十匹取ったものです。
 川には、ハヤ(ハイゴロ)、川エビ、川カニ、ドジョウ、ゴンズイ(ギュウギュウハチ)、ドンコ(ゴモン)、ナマズ、ハゼ・アユ・フナ・メダカなどが無数にいました。
 夜にガス灯を持って川に行くと、川底からたくさんの魚が浮上してきて、大きな三角網が直ぐにいっぱいになりました。
 ホタルの幼虫の餌になるカワニナは、貴重なタンパク源で貝殻は貝塚になるくらいでした。

 60年位前から農薬が使われ、大量の川魚たちが白い腹を上にして流れてきました。
 今や、山・田・畑も荒れ、護岸・川底工事などで、生き物が住めなくなって、川内川支流では魚影が全く見られない静かなさみしい川になりました。
 レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を実感します。

 世界中の自然・生態系が、川内川よりもっと酷い環境になっています。
 私たちは、自然・生態系から多大な恵みを受けています。
 生態系ピラミッドの頂点にある私たちは、生態系ピラミッドの土台がどんどん崩れていることに、敏感に気づき、行動することの重要性を感じます。