2021.2.5

   ゼロカーボンシティとして、2050年カーボンゼロを目指す鹿児島市は、グリーンオフィス(環境管理事業所)の普及・拡大を図っています。

   鹿児島市内の小さい事業所が、環境改善を推進するには,グリーンオフィスかごしま(環境管理事業所)を導入・運用すると優遇や補助金もあり、自主的に環境改善が進み、経費が削減され効果的です。

  ISO14001、EA21、KESは、各々の審査を受けますが、独自のグリーンオフィス(環境管理事業所)で構築・運用する事業所は、3年に一回、審査を受ける必要があります。

  NPO法人エコサポートTGALは、ISO14001審査員が13名所属していますが、これまで14年間、毎年100―150社を継続的に審査してきました。

  環境管理指針の項番毎に、よくある審査指摘と提案事項について紹介します。
  これらの指摘・提案に留意することで、さらに効果的に運用ができます。

  1.法律の確認
   基本的で共通的な環境法について列記されていますが、調査不足や、担当者が変わること等によって、以下のような点が多くの事業所で漏れています。
   ①フロン排出抑制法の業務用エアコンの3ヶ月1回の簡易点検
 ②産業廃棄物処理業者との契約や業者許可証コピーの有効期限
 ③産業廃棄物管理票の発行
 ④年一回の県や市への産業廃棄物管理票交付状況等報告書提出
 ⑤産業廃棄物保管場所の表示版など。

 2.環境に影響を与えている事業活動の把握
  本来ならば、目標に関するものの把握だけではなく、多くの環境負荷を把握し、環境負荷・経費の多いものを目標設定することを提案します。

 3.環境方針の決定
  環境目標項目だけでなく、社長のビジョン・思い・方針など明確にして書き、掲示・周知・浸透することを提案します。

 4.環境目標の決定
  電気・ゴミ・紙・水等環境負荷の削減だけを目標設定して、長い活動で改善が限界・活動がマンネリになっているところを、多く見かけます。
  削減目標だけでなく、エコ商品の販売、エコに配慮した工事などの増加目標、また品質・生産性・安全性・人の育成等、経営に直結する目標を設定して、ムリ・ムダ・ムラをなくして環境負荷を削減するよう提案します。
  また、地域の清掃だけでなく生物多様性・自然保護等の目標も推奨します。

 5.具体的方策の決定
  単に数値目標を掲げ、思いつきの施策ではなく、系統的な改善を進め、施策を具体的にして、施策の進捗管理をすることを推奨します。
  そして、計画進捗管理書様式6の見直し・改善を提案します。

 6.環境管理体制の構築
  代表者・統括責任者・担当者も、できるだけ分担して、かつ目標項目にも実行責任者を決め、できるだけ全員参画・一人一役で、PDCA活動ができるようにしましょう。

 7.周知
  方針・目標・計画・推進体制は、掲示するように環境管理指針で規定されていますが、月目標・実績等時系列でグラフにして、掲示し、毎月進捗管理することを推奨します。

 8.環境管理の実施
  トップ主導の元、全員参画で取り組むことが重要です。
  長く取組むとマンネリや無理やりになりがちなので、楽しく面白く有効な活動にするために、いろんな会社の事例・講座などで学びましょう。

 9.監査 
  毎月、進捗状況を確認しましょう。
  また、不適合がある場合は、翌月に原因と対策を検討しましょう。
  毎月、同じ不適合がある場合は、会社環境などが大幅に変わっていることもあります。場合によっては目標項目・目標値や施策を変えましょう。

 10.評価・見直し
  代表者は、年一回は目標値が達成されたか?達成できた原因、達成できなかった原因を検討しましょう。
  そして、次年度さらに改善するために目標項目、目標値、施策など、十分検討しましょう。

 11.報告
   毎年、年度が終わったら、所定の様式を2ケ月以内に市に提出しましょう。
   ISO14001・EA21・KESの場合は、該当する資料を提出ください。
   ISO14001で、環境管理事業所用に別に様式を作り、別な目標設定したりするところがあります。
   不要です。該当の様式を提出ください。
   なお、活動の履歴・様式5は、全ての環境経営システムに必要です。

 小企業が、更なる優遇や売上・品質・生産性・安全性・人の育成など、より業績向上や経営体質の強化を図るためには、環境管理事業所のお兄ちゃんレベルのKESステップ1の導入・運用を推奨しています。
 人手不足の中、あまり手間をかけず、費用も安く、身の丈に合うシステムを運用できます。構築・審査にかかる費用は、1年で取り戻す会社が多いです。

 ISO14001の運用では負担が大きい事業所、合同で環境経営・カーボンゼロ・グリーン成長をめざす業界団体、カーボンゼロに向けた地域づくりを推進する自治体等もご検討ください。

 参考:クリックしてご参照してください。

 ●ホームページNPO法人エコサポートTGAL
  KESとは?
  適切なEMS選択の基準と目安
  環境経営効果と改善の声・改善事例
  環境経営・改善の現場
  登録事業所訪問記  

 ●経営支援事業
 経営コンサルタント・中小企業診断士・エネルギー管理士、また品質管理・工場改善・ISO・ITなどの経験豊富な専門家が所属しており、経営体質強化・業績向上のための経営支援事業を推進しています。

 ①CO2ゼロ・省エネ
 ②環境整備・5S
 ③QCサークル・改善サークル・小集団活動
 ④経営分析・目標管理・経営計画・経営革新・方針管理
 ⑤ISO14001/9001等構築、運用支援、内部監査員教育
 ⑥環境管理事業所・EA21・KES運用支援 
 ⑦中小企業ものづくり補助金・小規模持続化補助金 等