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令和3年12月28日

2024年から一万円札の顔になる渋沢栄一は、明治・大正・昭和の変革期に500もの会社を設立し、商工業の発展に尽力して日本経済の基礎を築きました。
また600以上の教育・社会事業にも携わっています。

経営の神様ピーター・ドラッカーも、「経営の社会責任について論じた歴史的人物で、あの偉大な明治を築いた大人物と言えば、渋沢栄一である。彼の右に出るものはいない。」

「世界で最初に経営の本質を見抜いた人物と言えば渋沢栄一である。」と評しています。

 渋沢栄一の考え方・生き方は、視野が高く広く、明治維新から大きく変わる社会が求めるものを見極め、実現してきたと言えます。
その考え方・行動の特徴は、以下のように思います。

ビジョン・構想:日本を豊かで強い国にするため、経済力を生み出す商工業の発展が必須。
経済発展には、ベースとなる文化・社会制度、文化の価値観の強化も。
欧州訪問で学習した社会システムを維新後の日本に構築したい。

考え方・理念:日本の近代化と経済発展に尽し、国家と国民の利益に貢献したい。
産業を興すことによって貧困をなくしたい。産業報国である。
経営には社会的責任が必要。また資本形成と人材育成が重要。
倫理・道徳と利益は両立する。倫理・道徳がないと資本主義は暴走する。
倫理・道徳を高めるには論語が役立つ。論語をモノサシにしていこう。
修身斉家治国平天下:身を修め家庭をととのえ国を治め天下を平和に導く。
一部が利益独占するのでなく、国全体の利益が大事。私心を捨てる。

信念・実現力:信念は最大の経営資源である。
私は一人でも思いを実現するために行動する。
行動しない知識は意味がない。知行合一で実践。
意思を貫くためには柔軟な姿勢で対応する。
自分の才能が一番発揮できることに取組む。         

大正頃の傾向と憂い:物質的には豊かになったが道徳性が低下。
知育重視だが、より道徳・人の道の学習を!
欧米では、キリスト教が道徳の基盤になっているが日本では欠落。  

 SDGsでは、環境・経済・社会面17目標を2030年まで達成しようとしています。
岸田政権では、新しい資本主義として経済成長と格差是正を図ろうとしています。

社会・企業・個人での多くの課題が倫理・道徳面の弱体化が原因となっているようです。

現代の課題解決のためには、倫理・道徳、アニマル・スプリット、自助の精神等「人間的な成長・修養」を促す教育が必要になっているかと思います。

 今こそ渋沢栄一の考え方・生き方に学びたいものです。