Think Globally, Act Locally!!
(地球規模で考え、地域で足元から実践)

2014年5月29日

 昨年11月に、第4回全国小水力発電サミットが鹿児島で開催されました。(H25年12月号メルマガで紹介)今回は、鹿児島県民への小水力発電に関する啓発のために、鹿児島高専が中心となり開催され130名が参加しました。

第一部 事例講演
(1) 鹿児島県の小水力発電推進の構想と現状について、鹿児島県小水力利用推進協議会の池畑憲一氏から話がありました。
   鹿児島県は、中山間地が多く、雨も多い。小水力発電に向いている。産学官で連携・推進していけば、地域活性化にもつながる。全国では、原発
  14基分のポテンシャルがある。
  市町村では①固定資産税が入る②売電収入の一部が入る③地域の人による見回収入等が発生する④観光資源になる➄地域でのエネルギー地産地消が
 実現する等の効果が期待できる。
  H24年5月にプロジェクトを発足して、鹿児島県内40ヶ所に250億円を投資して推進予定であり、第1号機の肝付町船間発電所995kWがH26年7
 月に運転開始予定、第2号機の霧島市重久発電所980kWがH26年12月に開始予定である。また3号機は南大隅で1980kW・2500世帯相当、4号機・
  5号機はH26/5 に調印予定である。40ヶ所設置した場合、5万世帯分の電力が供給できる予定である。
 推進上の課題は、多くの規制が存在することである。例えば水利権の許可、電気事業法での有資格者等の規制、自然環境保護区や保安林等の規制等が あり、そのために3-4年費やす。協議会の役割は、そのような規制を緩和し、小水力推進環境を整備することである。

 その後、日置市、鹿児島市、鹿児島県から計画・現状報告がありました。
(2)日置市では、「防災・農業観光型スマートコミュニティーづくり」の一環として「ひおき小水力発電推進協議会」を地元企業・行政・鹿児島高専
   等で設立し、連携して発電機の開発・実証実験・設置・運用のための活動を推進している。
   現在は、玉田土地改良区でマイクロ水力発電の実証実験中である。
(3)鹿児島市は、「地球温暖化対策アクションプラン」の一つである「エネルギーを有効に活用するまちづくり」を展開しており、小水力発電につい
   ては市内で河頭・小山田・高附・下田で導入され、さらに導入可能性を調査し、導入箇所を選定中である。
(4)鹿児島県は、「再生可能エネルギー導入ビジョン」を策定したところで、H32年度までの導入目標を掲げ、小水力発電等推進予定。H32年度に
   は、小水力発電を現在の約5倍である29,880kWにする目標を掲げている。

第二部 技術講演
「在来型水車の性能と技術について」鹿児島大学元教授の門久義氏、「小水力に活用される水車機構について」鹿児島高専准教授椎保幸氏、「小水力における発電技術と制御技術について」鹿児島高専教授楠原良人氏から話がありました。
第三部 小水力設備紹介講演
 小水力における実際の機器・設備について、THK株式会社、篠田株式会社、株式会社ミゾタ、テラル株式会社、株式会社石垣から紹介がありました。

NPO法人エコサポートTGAL 理事長 久留正成