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(地球規模で考え、地域で足元から実践)

2014年6月27日

 念願だった「北九州エコタウン」の見学に行きました。

 北九州エコタウンでは、見学を随時受け付けており、年間を通して一番多いのが小中学校等の見学だということです。センターで全体の説明を受けた後、実際に、リサイクル工場を見学する流れになっています。この日の見学は、「老人会」「マレーシアの学生グループ」と大人数でした。
 曜日によって、見学施設が異なり、この日は、「OA機器」「医療器具」でした。

「OA機器リサイクル工場」では、OA機器を手際よく分解していき、徹底した分別で再資源する様子が伺えました。「医療器具リサイクル工場」では、医療用具を焼却ではなく、破砕・高周波処理・分別し、固形燃料・セメント原料としているということでした。
人の能力を発揮して、OA機器リサイクルでは、一般の人が分解・分別に1台4時間かかるところを30分で処理していました。

しかし、リサイクルには大変な労力とエネルギーがかかる。
 大切なのは、リデュースで、製品の省資源化・長寿命化でごみの発生抑制をする。次がリユースで、一度使用したものをそのまま再利用もしくは部品を再利用する。最後がリサイクルで、廃棄物を分別して再資源化していく。という3Rの取組を充実させることが大切だと感じた見学でした。

 エコタウン事業は、「あらゆる廃棄物を他の産業分野の原料として活用し、最終的に廃棄物をゼロにすること(ゼロ・エミッション)」を目指し、資源循環型社会の構築を図る事業のことです。
 エコタウン事業は、現在、全国26地域(九州では、他に大牟田市と水俣市にあります)で展開していますが、北九州市は、2008年に国内で、第一号として承認され、環境と産業のバランスのとれた町と
して、1990年には国連グローバル500賞を受賞しています。
 なお、北九州エコタウンでは、近接する北九州市学術研究都市との連携により、環境分野の「教育・基礎研究」から「技術・実証研究」「事業化」に至るまで総合的に事業を展開しています。

 北九州市は四大工業地帯のひとつとして、日本の高度成長を支えてきましたが、1960年代には、深刻な産業公害をもたらしました。
 この公害問題に対して、市民、行政、企業が一体となって取り組んだ結果、大腸菌も棲めない死の海、日本一の降下ばいじんを記録した空は、かつての美しさを取り戻し、今や環境モデル都市として日本の環境まちづくりをリードしています。
 また、公害問題で培った技術を開発途上国の環境改善に役立てようと、1980年代から専門家派遣や研修受け入れなどを行い、国際的にも環境改善のモデルとして高い評価を受けています。(丸山 記)

NPO法人エコサポートTGAL 理事長 久留正成