Think Globally, Act Locally!!
   (地球規模で考え、地域で足元から実践)

平成29年10月30日

   10月11日、かごしま環境未来館で、鹿児島市環境アドバイザーで国際金融アナリストの末吉竹二郎氏の講演がありました。『世界では議論されているが、日本では議論されていない』お話でしたので、要点をご紹介します。

1.気候リスクが、金融の行動を変え始めた

①28兆ドルと評価される世界の化石燃料がCO2抑制のために座礁資産となる。
②ノルウェー国民年金基金(運用資産100兆円)が石炭関連企業から投資を引きあげ。
③英国中央銀行が銀行に対し、貸出先の会社のCO2排出量を調査。
④財務情報開示タスクフォースがG20首脳へ気候関連リスクと機会を開示する提言。

2.パリ協定の核心
①減らすが出し続ける低炭素化から、一切出さない脱炭素化に大きく考え方が変化。
②業務で使用する電力は100%再生可能エネルギーで賄う国際企業が増えている。
③Appleの業務用電気は、既に96%が再生可能エネルギーである。取引先にも要請。
④100を超える市や州が再生可能エネルギー100%を目指している。
⑤国家レベルでも、2030年にノルウェー、2045年にスウェーデン・ポルトガル、2050年にデンマークが再生可能エネルギー100%を目指している。

3.エネルギー市場の主役になった再生可能エネルギー
①産業革命後主役の石炭による発電量を2015年再生可能エネルギーが上回った。
②世界は原子力発電の4倍が再生可能エネルギー。水をあけられた日本。
③世界一安い電気は2-3円/kWh、日本は20-30円/kWh。
④世界の2050年電力の85%・エネルギー総需要の44%を再生可能エネルギーで賄える。

4.主役を降りるガソリン車
①ボルボ:2019年から電気自動車オンリーに。
②フランス・イギリス:2040年ガソリン・ディーゼル車の販売禁止
③中国:ガソリン・ディーゼル車の製造・販売禁止の検討開始
    2019年新エネ車を10%に義務化
 環境汚染対策や現在車に強い独・日と別な型で勝負しようとする戦略が根底にある。

5.経済モデルの転換
①過去3年世界のCO2は増えていない。経済は3%増。デカップリングしている。
②温暖化対策は完全なコストではない。いろんなビジネスが考えられるチャンス。
③これからの戦略・計画などは、持続可能な開発目標SDGsがベースになる。 等

理事長 久留 正成