Think Globally, Act Locally!!
(地球規模で考え、地域で足元から実践)
2015年9月30日
9月12日に鹿児島高専主催の「かごしま県民大学連携講座」がありました。
再生可能エネルギーの普及と啓発を図り、最新のまた鹿児島県独自の課題に対する技術について、官学産の講師が説明しました。
Part1 事例講演(官):再生可能エネルギーファンド「かごしまグリーンファンド」
県の特性を生かした再生可能エネルギー施設の導入促進を図るため、本年7月に設立したファンドについて鹿児島県企画部エネルギー政策課が紹介。
初期段階の事業者の資金調達の円滑化を図るため、民間金融機関等と共同で創設した、計画段階から施設の建設、経営・運営に関してもサポートするファンドです。
H30年7月までに集中して実施し、3~5事業者で10億円の出資予定です。
Part2 技術講演(学)
- 桜島降灰による太陽光発電の影響(鹿児島高専 桑原教授)
桜島は鹿児島のシンボルですが、県民にとっては降灰が悩みの種です。降灰による太陽光発電の影響を評価。①少量の降灰では影響なし。②20数g/㎡以上では影響があり、降灰の多い8-10月では約50%が影響を受ける。③数ミリ程度の降雨でいったん回復するが、風などで吹き落とされるまで数日間影響が残る。④降雨が数ミリ以上で発電は回復する。➄降灰センサ・灰除去装置を研究開発中 等
- 風力発電及び水素エネルギー利用技術の研究開発(鹿児島高専 小田原准教授)
風レンズによる風の集中で、より強い風が風車ブレードに当たり風速の3乗に比例する発電ができ、同じロータ径の従来風車に比べ、2-3倍出力が増加する。
陸上型は九州大学に設置されているが、風レンズ風車の洋上浮体型も設置予定。
水素ガスを再生可能エネルギーから生産して運送・活用する構想が世界規模で動いている。鹿児島高専では、以上の設備に関する研究開発を推進中。
- バイオマス発電で考えなければならないこと(鹿児島大学 藤田名誉教授)
木質バイオマス発電拡大のためには、未利用材の収集・運搬コストが高く、国内の製材廃材、端材の調達価格が高くなる等の課題がある。今後、製材用とエネルギー利用が木材資源の奪い合いをすれば共倒れとなる。製材用丸太のカスケード利用と低質材の分別利用の徹底が必要。再生可能=持続可能性ではない。持続可能のためには、林業の生産性向上、規模拡大、植林・保育活動が必須。 等
Part3 企業講演(産)
- 風力発電システム(㈱日立パワーソリューションズ)
いろんな風車、トルク発生原理、風力発電所の構成、設備構造、発電方式と特徴、及びENERCON風力発電設備の特徴・落雷対策・強風対策・低騒音化について
- 太陽光発電の出力制御のルール(九州電力㈱)
電力を安定に送るためには、一定の周波数が必要であり、潮流・電圧などをバランスさせるための太陽光発電の出力制御ルール・方法・出力制御見通し等について
建設廃材・廃タイヤ・林地残材等を利用できる循環流動型ボイラについて
NPO法人エコサポートTGAL 理事長 久留正成