Think Globally, Act Locally!!
   (地球規模で考え、地域で足元から実践)

平成29年6月28日

  多くの企業での環境経営審査・省エネ診断また家庭での省エネ講座を実施してきました。
  同じような事務所の広さ・設備構成であっても、環境経営に取組む事業所とそうでない事業所では、電気使用量に大きな違いがあります。また、環境経営に取組む事業所間でも大きな違いがあります。
  一般家庭の同じような家・家族構成でも、電気使用量が2-3倍違うことがあります。

 1.『電気使用機器毎使用実態一覧表』の作成と管理を。
  全ての機器の電気容量・使用時間・問題点・改善施策などを記録した一覧表を作成して下さい。改善の方向が見えて、漏れなくしっかり改善できます。
  自動販売機や電気設備があるのに、節電対象から漏れていることがあります。

2.『電気の契約条件と契約内容』についての見直しを。
 電気料金は、基本料金と使用電力料金で構成されています。
 大きな容量の設備が排除されるとか、省エネタイプに更新した場合に、契約容量を見直さずに、高い料金のままになっているケースがよくあります。
 契約容量・基本料金を低減するには、時間毎に電気使用量を監視して警報を出すデマンドコントロールの導入が有効です。
家庭の場合は、電気を一斉に使う時間等を見直し、アンペアダウンを検討下さい。

3.『毎月の電気使用量把握から時間毎の把握に』
  現在はまだ、アナログ電力量計が設置され、毎月検針されています。
30分毎に計測できるスマートメータに順次更新されていますが、アナログ電力量計の有効期限10年が経つまで更新されません。電力に切替えると、すぐにスマートメータに切替わるので、使用電力の推移が良く判り、節電が進みます。

4.『電気使用量の月・年比較をグラフ表示に』
  節電目標と実績が随時に見えないと、周知・浸透が難しくなります。電気使用量データをグラフ化して、掲示や回覧などで皆が見えるようにしてください。
  なお、九電のキレイライフプラスは無料で登録でき、毎月また時間毎(スマートメータ設置の場合)の電気使用量グラフを、パソコン・スマホで見られます。また、設定値オーバーの連絡があり、同じような家庭でのランキングがわかります。

5.『節電施策一覧表の作成と管理を』
  一般的に向上目標を設定して、結果である実績数値を把握・管理していますが、プロセスである施策の実施スケジュール管理はできていません。改善計画書の様式を見直し、毎年新たな施策を追加し、施策の実施スケジュールを管理してください。

6.『電気の基礎学習等の定期的な節電勉強会を』
 『電力量=Σ電圧×電流×時間』なので、①電気使用機器の台数を減らし、②電流を小さく、③時間を短くする改善に着目すればよいことがわかります。
  また、建物・窓等の構造や周囲環境などへの配慮、省エネ技術や製品、補助金、パリ協定など世界や日本の動き、他社の改善事例、業務のムリ・ムラ・ムダ取り、全員参画で楽しく改善する方法・しかけなど学習・検討することが、環境意識を高め・知識を深め、改善を加速します。

理事長 久留 正成