Think Globally, Act Locally!!
          (地球規模で考え、地域で足元から実践)

                              平成28年12月31日

 KES やEA21 は、中小事業所用にISO14001 をモデルに規格が作成されています。
2015 年9 月にISO14001 の大きな改訂がありました。その改訂を踏まえ、KES は既に規格6 版に改訂されました。EA21 は2017 年4 月にガイドラインを改訂予定です。

 今回のISO14001 改訂の趣旨と主な改訂のポイントを理解することにより、現状の環境マネジメントシステムの課題と今後の改善の方向を考えてみたいと思います。

 ISO14001 改訂の趣旨は大きく次の3 点です。
 一点目:ISO14001 を創設した頃に比べ、地球環境問題が急激に悪化していること。
 二点目:認証だけが目的の、実績が乏しい、形だけの運用がまかり通っていること。
 三点目:多くのISO マネジメントシステムの整合性に配慮し、スッキリさせること。

 そのために、主に以下のポイントで改訂されています。
(1) 戦略的な環境管理
 本業との統合を図ること。「組織の外部・内部の課題」「利害関係者のニーズや期待」を把握して「リスクと機会」を選び出し、その情報を基に目標等策定する。
(2) リーダーシップ
 トップには強いリーダーシップが求められ、狙いや有効性等の説明責任がある。
(3) 環境保護
 これまでの汚染予防だけでなく、持続可能な資源の利用、気候変動の緩和・適応、生物多様性・生態系の保護への取組みを、組織の状況に応じて取り上げる。
(4) 環境パフォーマンス
 単なるシステムの改善だけではなく、環境パフォーマンス(実績)を向上させる。
(5) ライフサイクル思考
 資源の採取から製品が廃棄するまでのライフサイクルの各ステップを考えて、組織が管理できる範囲・影響を及ぼすことができる範囲を環境側面に取り上げる。
(6) コミュニケーション
 内部・外部とのコミュニケーションについて、内容・時期・対象等を明確にした実践や環境経営レポートなど公表する環境情報の信頼性が求められる。
(7)文書類
 「文書」「記録」という用語に代わって「文書化した情報」という用語が採用された。「文書化した情報」は、形式・媒体などの明確化が必要である。

 KES、EA21、鹿児島市環境管理事業所では、もともと環境パフォーマンス(実績)の向上を重視しています。
 今後、さらにトップの強いリーダーシップのもと、本業との統合を意識して、環境保護やライフサイクルなど、社内だけではなく社外にも目を向けた活動の強化・充実が期待されます。

                              理事長 久留 正成