Think Globally, Act Locally!!
(地球規模で考え、地域で足元から実践)

平成28年10月27日

鹿児島県市町村自治会館で10月13日(木)標記セミナーが開催されました。

(1)鹿児島県の再生可能エネルギー政策:鹿児島県企画部エネルギー政策課

H26年策定の「再生可能エネルギー導入ビジョン」に基づき推進した活動と現状報告がありました。鹿児島県の電力消費量に占める再生可能エネルギーの利用割合はH23年18.6%、H32年は31.6%目標。小水力発電・太陽熱利用の普及は遅いが、ソーラーは既に目標を達成し、風力・バイオマスなどはほぼ順調に推移している。

 

(2)再生可能エネルギー等をめぐる最近の動向:九州経済産業局資源エネルギー環境

エネルギー革新戦略」では、①徹底した省エネ②再エネの拡大③新たなエネルギーシステムの構築を重点推進している。現在、再生可能エネルギー発電設備出力では鹿児島県は全国7位。福岡県は3位である。その他、2040年までの水素社会実現のロードマップや主なエネルギー関係施策の紹介がありました。

(3)『再生可能エネルギーの動向と地方創生』進藤経済研究所代表 進藤勇治氏

日本のエネルギー事情とエネルギー政策、各再生可能エネルギーの特徴と魅力・課題、各地での実践事例、発電コスト比較、固定価格買取制度と見直し、ドイツ・デンマークの現状、次世代エネルギーパークの整備と洲本市等の地域創生事例の紹介がありました。  

(4)『脱炭素化時代に向けた我が国のエネルギービジョン』東京工業大学 柏木孝夫氏

COP21後、「地球温暖化対策計画」「エネルギー革新戦略」「エネルギー・環境イノベーション戦略」が策定された。これからサイバーIoT網による新たな社会革命が起きる。エネルギーについては自治体主導の電力会社が増え、分散エネルギー・スマートコミュニティーに変わっていくだろう。石油はこれからペイできなく、埋蔵量も富士山カップ分以下である。原発をやめるには水素の活用、その前に地熱の活用が必須。ソーラー・風力だけでは不足である。等  

(5)関連事例紹介

①「水素製造装置と水素ステーションへの展開」三菱化工機株式会社

下水バイオガスによる水素ステーションの実証事業について

鹿追町環境保全センターの取組」北海道鹿追町農業振興課

家畜糞尿・生ごみ・浄化槽汚泥の堆肥化やバイオガス活用等について

③「鹿児島県地中熱利用促進協議会の活動状況と事例紹介」協議会会長

地中熱利用促進の活動内容、地中熱と導入事例・予定などについて

④「地産地消型エネルギーシステムの社会への普及」スマートエナジー研究所

分散エネルギー、ヨーロッパ事情、地産地消型スマートタウン・ハウス等

パリ協定発効にともないいろんな動きが始まります。今後も再生可能エネルギー導入の促進と徹底した省エネ、地域創生などについて調査・報告していきます。

理事長 久留 正成