さつま町は、九州第二の一級河川「川内川」が流れる山間のまちです。自然が豊かで、川内川や支流には多くのホタルが飛びます。ホタルは、さつま町の町虫になっています。

ホタルが飛ぶ風景は、あまりに当たり前なので、それで楽しむとかまちの川内川

活性化に活用するなど考えてもいませんでしたが、まちの活性化の一つとして

10年ほど前から、川内川下流の二渡地区と上流の鶴田地区で川内川に船を浮かべ、

ホタルを鑑賞するホタル船を継続運航しています。

私の故郷で運営されている『二渡ホタル船』は、代表である下麦清正さんの子守から始まっています。夜にママさんバレーに通う奥さんの代わりに、子守であちこち回っていた清正さん。ある日、近くの川内川のホタルを見かけ、

車をホタルのいる草むらの近くに停め、一緒にホタルを見たら子どもさんが、大変喜んだとのこと。

 

魚を取り料理店を経営し川船を持っていたので、親しい友人の家族とともに川船を川内川に浮かべ、焼酎を飲みながらホタルを鑑賞し楽しむようになりました。ホタルの時期になると、いつも夜に留守する下麦さん達を不審に思った友人達が何をしているのか聞きだし、それなら自分達も、いや田舎に来た親戚を是非連れて行って欲しいと、川船でのホタル鑑賞の輪がどんどん広がったそうです。その頃、まちおこしの気運が高まったこともあり、自分達だけ楽しむのではなく、他の人にも喜んでもらえたらということで、有志が中心になって活動を始めました。

 

 二渡ホタル船には、次の特徴があります。

  • 全て有志だけでの手作りの運営です。hotal20150427

自分達で企画・広報、船作り、船頭、安全対策、資金調達等を実施しています。

  • ホタル鑑賞を中心に、遊び楽しむことを主眼にしています。①オープン日には、ゲームと鮎を焼いて食べられます。(昨年の鮎が不漁で、今年は中止)②比較的明るいスタート時には、昨年の試みで好評だった黒毛和牛たけのこ丼を食べられます。(地元は、全国有数の優秀な黒毛和牛種牛の産地であり、たけのこも「かぐや姫の里」の恵みとして有名です。)③3艘を横につないだ自作の川舟(安定感があり、船の上から川内川の水にもさわれます)④二渡ホタル鑑賞会(ホタルが最も多い時期に開催:今年は5月23日(土)18時から)

 

 今や、毎年1000人以上が、遠くは韓国・関東・関西からもうわさを聞いて、遊びにこられるとのこと。福岡からは、新幹線の川内駅で降りると車で約20分程なので、日帰りもできます。宿泊は、さつま町の湯田温泉北薩広域公園バンガロー(布団貸出可能)が多いようです。

 

今、ホタルの幼虫が川から草むらに上がり、夜空に飛ぶ力を蓄えていますが、有志も船の手入れなど準備に大わらわです。今年の『二渡ホタル船』は、4月20日(月)から受付。5月16(土)から6月7日(日)まで運営されます。最終日には、昼間アユ祭りもあります。

(連絡:080-6447-0570二渡がらっぱボタルの会)