不洗米炊飯のススメ
−不洗米炊飯とは何か−
目次 はじめに 研ぎ汁と汚染 不洗米炊飯とは 研ぎ汁料理 リンク集

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不洗米炊飯とは何か


−この頁の目次−
一般的な炊飯の方法
私がおススメする炊飯の方法
米を研いで炊飯する理由
研がずに炊飯するとどうなるか
どんな味がするのか
数カ月間試してみました
玄米が健康に良い理由
ヌカは毒ではない
食べずに論ずるべからず
研がずに食べるのは嫌だという方へ
不洗米炊飯のメリット
不洗米炊飯のデメリット
外国ではどうしているのか

一般的な炊飯の方法

 今、私の手許に学校の調理実習で使う調理の教科書があります。その最初の方に基礎知識として炊飯の仕方が掲載されています。その手順は概ね次のようなものです。
  1. 手早く洗う‥‥米は、最初に洗うときの吸水率が一番大きいので、たっぷりの水でごみやぬかを除き、すぐに水をとり替える。
  2. 2〜3回水を替えて洗う‥‥米はつかむようにして洗い、白い水は手早く捨て、水が濁らなくなるまで繰り返して洗う。
  3. 水けをきる‥‥洗った米をざるにあけ、水きりする。炊く30分〜1時間前に水をきるのが理想的。
  4. 浸水させる‥‥分量の水を加え、夏は30分、冬は1時間、米に水を吸収させる。
  5. 炊く‥‥炊飯器のスイッチを入れる。炊けたら十分に蒸らし、しゃもじで大きくほぐす。
 この手順には特に異論を差し挟む余地はないでしょう。ほとんどの方はこれと同じ方法で炊飯をされているものと思われます。
 ただ、教科書の中で炊飯器を使用していることが示すように、すでに数十年前の常識(カマドや釜を使うなど)は世の中の変化と共に変ってきていることに注目したいと思います。

 生活環境や炊事器具が時代の変化と共に変ってきたように、米そのものも変ってきています。品種もそうですが、精米された白米も昔と違ってきています。
 私達が学校で炊飯の方法を習った頃(昭和30年代)は「研ぎ過ぎると、米に付いている胚芽が取れてしまうので、あまり研ぎ過ぎないように」と注意されたものです。炊き上がった米をよく見ると、確かに、黄色い胚芽が付いていました。
 しかし昨今の白米には胚芽は付いていません。ヌカもきれいに取り去られています。精米技術の進歩によるものです。胚芽を残した状態のものも「胚芽米」として販売されています。

 昔に比べ白米に残っているヌカの量も少なくなっているはずなのに、昔と同じ方法で研いで炊飯する必要があるのでしょうか?

私がおススメする炊飯の方法

 私がおススメしている炊飯の方法は次のようなものです。
  1. 浸水させる‥‥分量の水を加え、夏は30分、冬は1時間、米に水を吸収させる。
  2. 炊く‥‥炊飯器のスイッチを入れる。炊けたら十分に蒸らし、しゃもじで大きくほぐす。
 なんだかずいぶん手を抜いているようですが、これだけでも十分においしいご飯が炊けます。内容的にどのような違いがあるのかを検証してみましょう。

米を研いで炊飯する理由

 米は通常は稲の実からモミガラ(外皮)を除いた玄米の状態で保管されます。店頭で販売されるのは、この玄米を精米(搗精ともいう)して白米の状態になったものです。
 玄米は米粒の表面がヌカで覆われており、このヌカを取り去ったものが白米になるわけですが、普通は精米してもヌカが完全に取り去られるわけではなく、若干のヌカが残った状態で販売されています。
 このわずかに残ったヌカを取り除くために、炊飯をする前に水で何度か洗い流しますが、この作業を「米を研ぐ」と言い、この時に出るヌカが混じった白い水を研ぎ汁と呼んでいます。
 研ぎ洗いをせずにヌカが残った状態で炊飯すると味が落ちると言われ、さらにヌカの匂いがすることや、炊き上がりの色が悪くなることなどが、研ぎ洗いする理由とされています。

研がずに炊飯するとどうなるか

 研いでから炊飯することが常識となっているため、研がずに炊飯されたご飯を食べた経験をお持ちの方は少ないものと思われます。
 研がずに炊飯するとどうなるのでしょう? 私は実験してみました。

どんな味がするのか

 結論から先に申しあげますと、研いだものと、研がずに炊飯したのとの差はほとんど感じられませんでした。
 もしかすると私の味覚が鈍いせいなのかも知れませんが、味の違いにつては判別できないほどでした。匂いについても、ほとんど感じられませんでした。色もはっきりと見分けられるというものではありませんでしたが、強いて言えば釜の底にあたる部分のご飯が若干黄色味がかっているように思えました。

数カ月間試してみました

 私はここ数カ月の間、ずっと米を研がずに炊飯して食べてみました。その間、家族からの苦情は一度もありませんでした。
 ご飯を普通に食べても、さほどの違和感は無いのですが、カレーライスや煮込みカツ丼といったようなご飯の上に何らかの具を乗せて食べるような場合や、チャーハン、チキンライスなどのようにご飯に直接味をつけるような料理、それと、かやくご飯のような炊き込みにする場合などでは、普通に研いだ場合との違いを見分けることはできませんでした。

玄米が健康に良い理由

 白米より玄米のほうが栄養バランスが良く、さらにビタミンや無機質の栄養素が沢山含まれているために、健康に良いといわれています。
 玄米は米粒の表面をヌカが覆っているために消化しにくく、玄米を食べるためには特別な調理法が必要とされております。そのため、玄米を食べることはあまり一般的には行われておりません。
 米を研ぎ洗いするのは、この栄養豊富なヌカを洗い流す行為に他なりません。玄米がより栄養バランスが良いのであれば、米は研がずに食べた方が体に良いということになります。

 食品成分表(一橋出版:科学技術庁資源調査会編データ準拠)によると、玄米→胚芽精米→白米と栄養分が減少し、特に減少の顕著なのが、ビタミンB、ビタミンE、食物繊維、ミネラル分などとなっていました。この内容については学校の教科書などにも記載されていますので、お持ちの方はそちらでご確認下さい。

ヌカは毒ではない

 ヌカに含まれているのは、タンパク質、糖質、カルシウム、鉄、ビタミンB群などであり、食べて害になるようなものは含まれておりません。それどころか、栄養バランスが良くなるからといって、ダイエットのために玄米食をすすめる人もいるくらいです。
 精米後にわずかに残ったヌカは粉末になっていて消化吸収の良い状態になっており、消化不良を起す心配もありません。

食べずに論ずるべからず

 米を洗わずに食べることには抵抗があるという方は多いことでしょう。
 先入観や迷信や憶測で物事を判断するのが賢明な方法ではないことは言うまでもありません。
 議論はともかく、一度、研がずに炊いたご飯を召し上がってみて下さい。
 実際に試した結果「マズくて食べられない」とか、「どうしても抵抗がある」と言う方にはこの方法はお勧めいたしません。

研がずに食べるのは嫌だという方へ

 研がずに炊いたご飯はマズいという方や、研がないことに抵抗があるという方には、研ぎ汁を別の料理に生かしたり、肥料としてご利用なさることをお勧めします。
 それもあまり気が進まないとおっしゃる向きには、「無洗米」はいかがでしょう。
 最近はスーパーなどでも良く見かけるようになってきた「無洗米」は、研がずに炊飯できるように特別な方法で精米されたお米です。価格的には若干高くなりますが、普通の白米のパッケージに含まれているヌカが除去されてから計量される(ヌカが無い分だけ白米の量が多くなる)ので、それほどの価格差はないとのことです。
 どちらの方法をとられるにしても、「研ぎ汁を排水しない」ということが大切なポイントです。

 無洗米については否定的な意見もあります。無洗米の品質・安全衛生・環境性等の調査結果を公表しているサイトもあります。その調査結果に対する関係者の意見も掲載されていますので参考になさって下さい。

 無洗米の問題点についてはこちら→ こだわりの米屋『てんち米店』のHP
 無洗米の調査結果はこちら→ 国民生活センター

不洗米炊飯のメリット

  • 研ぎ汁を排水に流さない(環境を守る)
  • 洗米時に流れやすいビタミンBなどの栄養分が残る
     米に含まれているビタミンB群はビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ナイアシンの3種です。これらビタミンB群は、水溶性ビタミンとよばれ水に溶けやすいので、洗米による損失を防ぐことができます。
     ヌカに含まれる栄養分も、当然のことながら残すことができます。
  • 水を節約できる
     節水量は、米4合(600g)を炊く場合、一回に約12リットルです。
  • 誰にでも簡単に炊ける
     炊飯器には水の分量を示す目盛りが付いています。米を計量できれば小さなお子さんでも簡単に炊飯ができます。水洗いの時に誤って米粒を流してしまう心配もありません。
  • 経済効果を期待できる
     水質の汚染を防ぐための公害対策費用が節約できます。海洋資源などを汚染から守ることも出来ます。毎年、総額3000億円の利益になるとの試算もあります。
 一部HPに「全国チェーンのお弁当店で無洗米を導入し、年間数億円の経費削減をしている」との記述がありましたので、当該チェーン本部に問い合わせたところ「導入の計画はあるものの、現在のところそのような事実はない」との返答をいただきました。
 (未確認情報を基に誤った記事を掲載してしまいました。お詫びします)

不洗米炊飯のデメリット

  • 炊き上がりが気になる場合もある
     研いでも研がなくても、ご飯の味にはそれほどの違いはありませんし、匂いや色といった点もほとんど気にならない程度だといっても、これは感覚的なものでもあり個人差もあることですので、実際に一度お試しになることをお勧めします。
  • 手抜きをしていると疑われる
     炊事に手抜きをしていると疑われる可能性があります。周りの方に趣旨をきちんと説明して理解してもらうことも大切でしょう。
  • 残留農薬が心配
     これは非常に重要な問題です。残留農薬は主にヌカに集約されると言われていますので、もし残留農薬が存在するのであれば不洗米炊飯では農薬の害が直撃しそうですし、玄米食も健康に良いどころか、逆に命を縮めているようなものです。しかし、仮にそうだとしても、これは米を洗うか洗わないかという以前の問題です。
     残留農薬の危険を論じるならば、全ての農作物、全ての畜産物、全ての海産物についても考える必要がありそうです。自分で物を生産するのでなければ、結局は生産者を信用するしか方法がありません。しかもグローバル化が進んだ現代社会では、ありとあらゆる食品が世界各国から輸入されてきています。農薬に止まらず、ポストハーベスト、遺伝子組み換え食品、食品添加物、等々ほとんどの食品に危険な要素が伴っています。
     現在日本で生産されている米で、残留農薬が問題となるようなものはほとんどありませんが、食品の安全性についてはまた機会を改めて検討したいと考えております。

外国ではどうしているのか

 イタリアは知る人ぞ知る米食大国です。稲作の歴史も古く、米を使った料理のバリエーションも豊富です。しかし洗米はほとんど行われていないようです。
 諸外国の事情も含め、現在調査中ですので、解り次第レポートいたします。

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