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鹿児島市環境管理事業所

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鹿児島市環境管理事業所

2020.1改訂

1. 鹿児島市環境管理事業所とは
 鹿児島市がH16年に創設した、中小事業所向けの環境マネジメントシステムであり、鹿児島市内の中小事業所が、容易に環境保全に取り組めるようになっています。
 環境管理指針に基づき、環境マネジメントシステムを構築し、3ヶ月間の実践を行い、鹿児島市から委託されたISO14001審査員が審査するしくみです。(H19年度から10年間連続で当NPO法人が審査業務を受託しています。)
   ISO14001、KES、EA21などの環境マネジメントシステムは、環境管理事業所の条件を満たすとして、それらの認証取得事業所は、環境管理事業所の認定申請時また審査前までに認証書を市に提出することにより、環境管理事業所の審査なしで、環境管理事業所として認定されます。(ISO14001は随時に認定)

 

2.環境管理指針
 以下の内容で構成されています。ISO14001の約半分の要求項目ですが、要求内容等を配慮するとISO14001の3分の1位の難しさといえます。

(1) 準備 ① 事業活動に関係する法律及び条令の確認 ② 特に著しく環境に影響を与える事業活動の把握
(2) Plan
 ③ 環境に関する方針 ④ 環境目標
 ⑤ 環境行動計画   ⑥ 推進体制の構築
(3) Do
 ⑦ 周知  ⑧ 環境管理の実施
(4) Check
 ⑨ 監査
(5) Action
 ⑩ 評価・見直し


3. 鹿児島市環境管理事業所の特徴
ISO14001と比べ、以下のような特徴があります。KESやEA21を、さらに簡易にしたもので、KESステップ1よりも容易に構築できます。
①小規模事業所でも構築できるシンプルなマネジメントシステム
環境影響評価の方法が容易(チェックリスト法)
③ システム構築に必要な文書・記録の様式、記載方法の事例がホームページに公表されており、構築しやすい
④ システムが回っているだけでなく、パフォーマンス(実績)の向上が必須
⑤ 法律違反があると認定は取り消し
⑥ 審査費用は無料
⑦ 認定は3年間有効で3年後再申請、その間は毎年定期報告書の提出が必要。3年間の活動で優秀と評価された事業所は表彰される。(毎年5社程度)
⑧ ISO14001、KES、EA21などの環境マネジメントシステムは、環境管理事業所の条件を満たすとして、認証登録事業者は登録申請するだけで認定される。
➈環境管理事業所には、省エネなど環境投資の補助がある。(7月頃募集 上限20万円)

➉環境経営・省エネ・廃棄物管理等専門家派遣を受けることができる。(7月頃募集 5社程度)
⑪ゼロエネルギー住宅等整備促進事業補助金(対象:太陽光発電システム)がある。(上限28万円)


4. システム構築から審査まで

 システム構築は1-2ヶ月、システムに基づく実践が3ヶ月必要です。
 毎年の日程は、大体以下のようです。
6月    環境管理事業所認定の申請(申請書及び関連資料)募集
7月末   更新事業所の募集締め切り
9月末   新規事業所の募集締め切り
10―12月 審査
2月       認定・表彰
3月    鹿児島市のホームページに公表 審査は現地で1事業所1時間程度です。特に①トップのリーダーシップ②環境目標の改善推進状況と事例③実践の記録④方針や目標・計画・体制の掲示について見ます。
 なおシステムが簡易であるので、独自に構築できますが、コンサルが必要な場合は当NPO法人でも対応しています。(コンサル2-3回程度)

5. システム構築・運用のポイントと留意点
 基本的には他の環境マネジメントシステムと同様なことがいえます。特に環境管理事業所では環境パフォーマンス(実績)の向上が必須ですので、以下のことに十分意識して活動を推進して下さい。
(1) トップのリーダーシップ
 どんなマネジメントシステムでも、トップが本気かどうかで成果は決まるといっても過言ではないと言えます。
 環境管理責任者・事務局には力のある人を指名し、バックアップして下さい。
(2) 全員参画の仕掛け
 計画段階から多くの人が参加できる、また一人一役など皆が役割を認識し取組める体制、責任者・担当者のローテーションにも配慮して下さい。
(3) 確実な周知
 皆の環境意識が高まり、行動・改善力が強化され、会社から家庭そして地域活動に展開されていくことが重要です。確実に必要な情報を伝え、また学習して、継続的に改善が進むように努めて下さい。

6. 認定事業所と支援 → 鹿児島市環境局環境部
(1) 認定事業所 計494事業所(令和元年6月24日現在)
(2) 導入促進・支援
 当NPO法人では、多くの事業所が環境管理事業所に取組み、地域の環境改善が促進されるように、無料相談や定期的な導入セミナーと事業所に出向いての支援活動を行っています。

7. 鹿児島市環境管理事業所のグリーン購入基準での配慮
 環境管理事業所には、市の建設業入札資格審査評価で10点が加点されます。さらにISO14001には10点加点され20点、KESとEA21には5点が加点され15点となります。
 商品・サービスの購入時には、優先して環境管理事業所から購入されます。

8. 鹿児島市環境管理事業所の課題と対応策
(1) 容易に環境保全、環境経営に取組める制度ですが、環境負荷の大きいところ、従業員の多いところ、県内・全国・国際的に事業を展開されるところでは、より確実に環境管理を推進するために、システムの充実を図り、KES、EA21、ISO14001などの認証取得を目指しましょう。
 KESステップ1は、環境管理事業所のお兄ちゃん版で取組みやすく、費用は初回10万円、以降は5万円と手頃であり、全国の大手企業のグリーン調達基準を満たすと評価され、建設業では入札での加点が鹿児島県で10点、鹿児島市で15点となりますので、お薦めです。
(2) 3年に1回の審査とその間は年度報告書提出という制度ですので、第3者審査による刺激が乏しくなり、改善活動が低迷する可能性があります。
 トップの強いリーダーシップと、事務局の地道な継続的改善を促す仕掛けが必須です。時には外部のコンサルによる内部環境監査、指導も考えましょう。
(3)順法については、不備な点が目立ちます。廃棄物処理法については、ほとんどの事業所に関連していますので①産業廃棄物処理業者との契約②産業廃棄物保管場所の管理③マニフェストの発行と回収管理④マニフェストの年間報告など事前に確認しておきましょう。
 また業務用エアコン等の適切な保守・廃棄処理(フロン排出抑制法)に配慮下さい。