特定非営利活動法人エコサポートTGAL

MENU

福岡県中小企業でのKES環境経営事例

  • HOME »
  • 福岡県中小企業でのKES環境経営事例

2023.5

①KESは中小企業の身の丈に合う「使い勝手の良さ」が評価されて、全国に広がっています。
②品質・生産性・安全性向上など「経営体質強化による環境負荷削減」を目標設定しやすく、経営コンサルタントなどの助言もあり、中小企業の経営改善・成長に役立つと喜ばれています。
③ISO14001では、手間・費用面などで難しいと感じる中小企業のために2001年に京都で創設されました。
④2004年環境省が認証制度化したEA21よりもシンプルで使いやすい。
⑤ISO14001やEA21から移行する事業所もあります。
⑥日立・九州電力・NTT・キャノン・オムロン・ワコールなど大手企業のグリーン調達基準で承認されています。
⑦環境管理規格2種と環境をベースとしたエネルギー管理規格・CSR管理規格があります。

1.有限会社内田製作所 (福岡市)
(照明柱等鋼管製品の製造、社員7名、KESステップ1、2013年2月登録)

お取引先から、これからの事業展開のためには環境の取組みは必須であり、そのためには、中小企業の身の丈に合うKESが有効であるとのお話がきっかけでした。
環境目標として以下の4項目を設定しています。                                                     
1.化学物質の適正管理                                                                                             環境経営訪問記
2.事務用紙使用量の削減
3.工場周辺の清掃等啓発活動
4.工場内に環境メルマガを掲示・教育

環境問題はある面仕方ないという考え方が変り、廃棄物は削れるものはより削り、整理・整頓・清掃がより徹底するようになってきて「物を大事に使うとエコ」という気持ちができてきました。
シンナー・塗料などの化学物質管理もしっかり管理でき、安全・健康管理も進みました。

2.株式会社メイホー成形品製造部 (直方市)
(プラスチック成形品の製造並びに複合成形品の製造、プラスチック成形金型およびプレス加工金型の設計と製作、社員57名、KESステップ2、2005年5月登録)

環境配慮の経営活動が求められる中、当時 ISO14001 の登録・ 維持費用が高く躊躇していたところを、お客様からKESの紹介があり、取組まれています。
システムは、第 2 者審査を意識して、ISO14001 用語を使用しています。
環境目標として以下の5項目を設定しています。
1.電力使用量の削減                            
2.一般ごみ排出量の削減                        環境経営訪問記
3.事務用紙使用量の削減
4.産業廃棄物排出量の削減
5.化学物質管理

KES に取組んで良かった点は、“工場がきれいになったこと”です。廃棄物の分別管理だけでなく、物に対する管理意識が高まり、行動が明らかに変ったとのことです。
最近では、生物多様性目標を掲げ、花・野菜などの栽培を通じて、意識を高めています。

3.サンスター株式会社九州支店(福岡市)
(歯磨、歯ブラシ、化粧品等日雑用品販売、建築向け接着剤販売、社員28名、KESステップ2、2009年3月登録)

「人々の健康の増進と生活文化の向上に奉仕する」という基本理念の展開として、地球環境や社会の健康を考え、環境保全を経営の重要課題として取り組んでいます。 そのため、国内4工場では ISO14001 を、各地の事務所・オフィスでは KES を取得して、全社的に環境活動を展開しています。
環境目標として以下の5項目を挙げています。
1.電力使用量削減                            
2.車両燃費の向上                          環境経営訪問記
3.事務用紙使用量の削減
4.一般廃棄物排出量の削減
5.事務所周辺の清掃等啓発活動及び緑化活動

社内には営業車が多く、使用時間も長いため、「営業車燃費向上大作戦」を 立て、「燃費向上のための4大原則」や「燃費向上の豆知識」として、空気圧、回転数、エアコンの使用法、高速や坂道走行のポイントなどを、詳細に書いた大きな表示がありました。

.丸和産業株式会社九州事業所 (京都郡)
(設備メンテナンス業、社員30名、KESステップ1、2008年3月登録)

ニッサン・トヨタ中心に塗装機などのメンテナンス等を事業としており、設備保全・清掃にノウハウを持っています。
大手取引先から、今後環境に取組まないと淘汰されるとの助言に基づき、ISO14001を検討しましたが、費用・手間など大変ということがわかりました。その後、ISO14001をシンプルにしたKESという身の丈に合うシステムがあることを知り、活動にスタートしました。
環境目標として以下の4項目を挙げています。
1.電力使用量削減                          
2.産業廃棄物回収依頼回数の削減                 環境経営訪問記
3.技術の伝承
4.工場周辺美化活動

昨年度からは、経営課題でもある「技術の伝承」を目標に掲げ、毎月技術伝承活動を実践することによって、生産性・安全性の向上と環境負荷の削減を推進しています。

 

5.大牟田電子工業株式会社(大牟田市)
(プリント基板の設計・製造・販売、社員41名、KESステップ2、2005年10月登録)

製造設備用プリント基板の設計とアートワークができることで、少量多品種製品の短い納期に対応でき、顧客の開発スピードアップに貢献しています。
加工・洗浄工程に化学物質を多く使用するため、過去から環境活動に取り組んできましたが、よりシステム的に環境経営を推進するためにKESに取組みました。
環境目標は、電気・水・紙などの環境負荷削減から、本業の品質・生産性向上等を通じた環境負荷削減に変化しています。
環境目標として以下の5項目を挙げています。
 1.産業廃棄物の削減(有価物化の促進)              
 2.ウェスの削減(拭くことの削減)              環境経営訪問記
3.排水処理中和処理剤の削減
4.会社前歩道の清掃
5.環境美化活動

今後は、化学薬品を使用しない工法の研究とさらなるコミュニケーションの充実を通じて、環境と社員の健康経営を充実したいとのことです。

6.株式会社ジーエス・ユアサバッテリ九州支店(福岡市)
(自動車用バッテリー・充電器の卸販売、カーステレオ・カーナビその他の自動車電装品の卸販売、社員40名、KESステップ2、2010年1月登録)

2004年に100年以上の歴史がある日本電池(GS)とユアサコーポレーションが経営統合して誕生しています。
バッテリー専業としての長い技術の蓄積が信頼・競争力につながっています。
環境目標として以下の5項目を挙げています。
1.エコバッテリーの拡販                         
2.地域社会との環境調和                        環境経営訪問記
3.ガソリン使用量削減
4.産業廃棄物発生量削減
5.省エネルギー

なお、CSR活動・BCP(事業継続計画)・緊急事態対応等も全社的に取組まれていました。
今後は、省エネ等環境活動を含めたCSR活動のさらなる深堀を追求したいとのことです。

 7.日本紙工株式会社九州事業部(糟屋郡)
(印刷及び紙工品・紙器等の製造、販売、社員68名、KESステップ2SR、2018年6月登録)

1920年創業で京都本社・京都工場・東海工場・九州工場があります。
お土産品・食品・日用品など商品の顔となるパッケージづくりを中心に、顧客要求に沿ったサービスを提供しています。
2017年から、九州で初めてCSR規格であるKESステップ2SRに取組んでいます。
環境・CSR目標として以下の7項目を挙げています。
1.組織統治:活動内容の発信・周知                     
2.人権:公正採用選考人権啓発推進員の選定、研修参加          環境経営訪問記
3.労働慣行:労働時間の短縮・適正化、生産性向上
4.環境:事務用紙使用量の削減
5.公正な事業慣行:サプライチェーン・委託業者
6:消費者課題:消費者に対するサービス・支援
7:コミュニティへの参画及び発展

SR規格では、中核課題7項目のうち1項目以上を目標設定するようになっていますので、順次内容を充実して経営体質強化に活かそうとしています。

1.KESとは?

KESは、2001年に創設された中小企業版環境マネジメントシステムです。
②中小企業にとってISO14001では難しく、費用も時間も大変という現状認識の元、ISO14001規格をシンプルにして、企業での改善活動等経験豊富なISO14001審査員が低費用で審査するしくみです。
審査では、コンサル・助言ができます。
③主な規格は2種類あります。KESステップ1は、ISO14001の基本部分だけでありISO14001の半分程度のレベル(初級・小企業向け)、KESステップ2はISO14001より1-2割シンプル(中級・中企業向け)です。
審査費用:KESステップ1は登録時約10万円、その後毎年約5万円、KESステップ2は登録時約20万円、その後毎年約10万円
2018年度には、従来のKESステップ2SR(CSR)規格を全面的に見直し、ISO26001とSDGsを統合しました。
全国17KES協働機関で普及推進し、現在5,176事業所が登録しています。

 2.KESの特徴?

①中小企業の身の丈に合うシステムであるので、経営体質を強化するのに有効
②審査員研修に熱心で、全国及び九州で各2ヶ月一回実施
③紙・ゴミ・電気だけではない、本業強化目標を設定しやすい
④審査では、中小企業の経営体質強化に役立つコンサルを重視しています。
➄九州・沖縄地区では、毎月環境教育用のメルマガを定期送付しています。

3.評価・優遇?
 ①日立・九州電力・NTT・京セラ・キャノン・オムロン・ワコール等大手企業のグリーン調達基準で承認
②鹿児島県では、建設工事入札等競争入札格付で10点、鹿児島市では、鹿児島市環境管理事業所に申請・認定されるとあわせて15点が加点。
③鹿児島県清掃業等の鹿児島県官舎等業務委託に係る資格審査では3点加点。

(お問い合わせ)

  • 九州・沖縄地区唯一のKES協働機関:NPO法人エコサポートTGAL(ティーガル)

大手製造業などの環境・品質・システム部門の経験者がUターンして、中小企業と地域の活性化を支 援しています。中小企業診断士・エネルギー管理士・技術士・ISO審査員・EA21審査員等の専門家集団です。九州・沖縄各地で活動しています。

 事務所住所:鹿児島市長田町18-36エフ・リベルテ・ナガタ1F
    TEL:099-223-6425 HPhttps://www.tgal.org/